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日々のニュースについて考えたことを色々と.  少し頭を使う必要があるかもです 

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僕が記事に題名をつけるのは、いつも内容を書き終わった後になるが、今回は題名を先に書いた。

特に意味はないけど、今日は「ノルウェイの森」について書いてみようかな、と思っただけである。


昨日の夜、この小説を読み終えたわけであるが、その感想を昨日中に書くというのは、とてもじゃないけれど不可能だった。

それは、書くことが定まらない、という単純な理由ではなく、すこし間を置くのが適切だと感じたからであり、内容としてはごく月並みなものに成っていくと思う。


この小説に出会ったのが一昨日であるが、それは少し意外なことに思われる。
村上春樹、「ノルウェイの森」とくれば、ミーハーな僕ならば(笑)すぐにでも買うようなノリがあるので、今まで手つかずだったのは不思議な感じがするのだ。


読んでいくなかですぐに感じたのは、この人が時代を象徴するような作家になったのは、至極当然のことなんだな、ということである。

読んだことがある人ならば同じことを感じるかもしれないが、文書を読ませるうえで重要な”毒”の材料が、すごく現代的なのである。


僕は個人的に、芥川龍之介が好きなのだが、その理由は、彼の文章がふりまく”毒”の部分にある。

その毒が何であるかをはっきりと述べてみせることは出来ないが、僕がその”毒”に感じる性質は、「恐怖」にすごくよく似ているのである。

僕が芥川龍之介を読んでしまう理由は、ある意味で「怖いものみたさ」なところがあるのだ。


芥川龍之介と村上春樹の読み口は、まったくといっていいほど違うものだが、決して短くはない「ノルウェイの森」を一気に読ませてしまうところは、彼のすごさであり、芥川龍之介と似ている部分であろう。

つまり、「ノルウェイの森」に潜む”毒”のことである。

しかし、この”毒”の性質は、僕にとって「恐怖」というより、「不安」や「哀しさ」のようなものであり、現代にひそむ「怯え」のようなものであった。

決して「エロス」ではない

冗談はさておき、その毒が与える興奮は、「静かに、震える」というようなものである。
この毒が現代小説に影響を与えたのは、無理もないことだと思う。


後読感は決して楽しいものでなく、なんともうっとしい(笑)ものである。


あと最後に一つ付け加えておきたいことがある。

僕と登場人物の間には、(ほとんどの読者が、おそらくそうであるように)共通項が複数ある。

だから感情移入は出来るけれど、しかしはっきりいって全員、嫌いである。


登場人物の一人が、”自分は、自分がおかしい、ということを知っているので、一般人よりもまともである”というふうな内容の台詞をはく。

僕はその台詞の面白さや、ある意味での正しさを理解することができるが、その台詞を吐いている人物のことは、全くもって好きになれないのである。

そんなことを自覚しようがしまいが、理不尽な社会に負けずに、きちんとついていく人たちの方が、僕はよっぽど立派だと思う。


「自分は弱いんだ」
などと口にすることで、自分に逃げ道をつくろうとし、挙げ句の果てにはその行為を慎むことさえも妥協する人間に同情する気はない。


人間誰だって弱いのである。

前にも書いたが、生きていくこと自体、非常に理不尽な要求なのである。

その圧倒的な理不尽さの前にあっては、個人個人の差異なんて取るに足らない。
「私は他より不完全なにんげんだ」なんていう言い訳は、まるでお話にならないのである。

僕たちは皆だれしもが、その”不完全さ”をきちんと自覚していて、その上で生きているんですよ。
その上で、自殺なんてものを忌み嫌っているんだよ。

偉いと思いますよ。




P.S.

自殺らへんの話に関しては、まぁ人によっては色々違う意見もあるだろうけれど、どっちが正しいわけでもないし、どっちが悪いわけでもないから、それほど敏感になる必要もないと思います。

あと、「ノルウェイの森」の登場人物を批判したからといって、「ノルウェイの森」を批判したことにはなりませんので、悪しからず。















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